【書籍紹介】『実践 にほんご指導見なおし本【語彙と文法指導編】』

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先生、「教える」と「習う」の違いは何ですか?

先生、「たくさん」と「多い」の違いは何ですか?どうして「東京には多い車があります」は間違えですか?

初級クラスでの指導経験がある方は、こういった学習者からの質問に困ったことありませんか?私は…あります!!(笑)駆け出しで授業準備だけで手一杯だったとき、こういった語彙の違いや使い分けについて考える時間…正直ないと思います(私だけ?)。

その場で答えられない質問なら、「先生の宿題にさせてください」と言うこともありますが、やっぱりその場で学習者のモヤモヤを解消してあげたいですよね。

そんな人におすすめなのが、本日ご紹介する『実践 にほんご指導見なおし本【語彙と文法指導編】』です。

【書籍紹介】『実践 にほんご指導見なおし本【語彙と文法指導編】』

どんな本?

初級クラスで頻出の文法・文型や語彙を中心に、文型は指導法、語彙は似ているものを取り上げ、意味の違いを詳しく解説しています。ベテラン日本語教師、新米日本語教師、日本語教師を目指して勉強中の方におすすめの1冊です。

残念ながら、現在は絶版となっていますが、amazonで中古品を購入することができます。

全体の構成

「交流分析」、「語彙」、「文法」の3つのchapterから成っています。chapter1では、「エゴグラム」と呼ばれる心理テストで、まずは日本語教師としての自分を客観的に認識することから始まります。chapter2は初級で頻出の語彙、例えば「忙しい」と「大変」や、「やさしい」と「親切」、「知る」と「わかる」など、全部で24のテーマが扱われ、意味の違いや使い分けが詳しく解説されています。chapter3では、初級で学習する「~ように/ために」や「~ている/てある/ておく」などの37の文法の指導法がわかりやすく解説されています。

各項目の構成

構成は以下の通りです。

  1. 問題
  2. 確認しましょう
  3. 現場の視点から

問題は3ステップ式で、まずは自分で考えながら解くようになっています。各問題の解答、及び詳しい解説は次のページにあります。

学習者から急な質問に対してその場で説明できるようになるために、自分で考える力を養うのは日本語教師として大切です。

3の「現場の視点から」では、「日本語教師のカバン」や「クラスがパニックになったとき」など、日本語教育現場でのエピソードが紹介されています。現職の方はもちろん、これから日本語教師として働こうと思ってる人の役に立つようなコラムになっているので、必見です。

使ってみた感想

新米時代に勧められ購入した1冊ですが、今でも時々お世話になっています。chapter2の語彙の部分では、似ている語彙の意味の違いがよくまとめられているので、こちらの本のおかげで、学生からの突然の質問にもうまく対応できるようになりました。

「楽しい」と「おもしろい」とか、「得意」と「上手」の違いとか、初級学習者から質問を受ける似たような語彙ばかり厳選されているので、とても参考になります。

chapter3の文法は、どのような点に気を付けて指導すればいいのか、問題を通して説明してくれるので、授業を準備する際にとても役に立ちました。

テーマに関する問題を解いて、自分で考えてから解説に進む…これ、本当に大切です。

最後に

『実践 にほんご指導見なおし本【語彙と文法指導編】』のを紹介しました。教師が授業準備をする際に改めて日本語の本質を探るための指南書として、是非購入を検討してみてください。

なお、こちらのシリーズは他にも『実践 にほんご指導見なおし本【機能語指導編】』があります。中級で扱う機能語を取り上げ、使用場面、類義語、学習者の誤用を分析した1冊となっているので、興味のある方はこちらも是非手に取ってみてください。

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