【教案】~ないでくださいーみんなの日本語第17課
導入
男の子と女の子がいます。
男の子は何をしたいですか。
窓を閉めたいです。
女の子も窓を閉めたいですか。
いいえ。暑いですから、閉めたくないです。
そうですね。
暑いですから、窓を閉めないでください。
ここはどこですか。
病院です。
そうですね。ここは病院です。
先生は何をしていますか。
注射を打っています。
そうですね。
注射を打ちましたから、何をしてはいけませんか。
お風呂に入ってはいけません。
注射を打ちましたから、今日お風呂に入らないでください。
接続
Vない形+でください
飲まない+でください⇒飲まないでください
食べない+でください⇒食べないでください
起きない+でください⇒起きないでください
しない+でください⇒しないでください
行かない+でください⇒行かないでください
ロシア語話者向けに「ない形」の説明をしています。
⇒【JLPT5】Образование ない (nai) формы глагола
ない形のプリントはこちら。
意味
禁止したり、指示したり、人に何かをしないように頼むときに使う。
例文
1. ここでタバコを吸わなないでください。
2. 公園でサッカーをしないでください。
3. あ、すみません。これから掃除をするので、そこに荷物を置かないでください。
4. 教室ではガムをかまないでください。
5. 集合時間に遅れないでください。
6. 図書館で寝ないでください。
7. 電車でスマフォで話さないでください。
8.
ポイント
「ないでください」の4つの意味
指示
立場が上の人が下の人に指示するときに使います。
(先生→生徒)テストのときは、辞書を使わないでください。
(医者→患者)お酒はなるべく飲まないでください。
(上司→部下)明日は大事な会議があるので、遅れないでください。
注意喚起
相手が「しないこと」が当然であることについて、話し手が公衆道徳、マナー、ルールの順守を注意喚起するときに使います。
ここは駐車禁止ですから、車をとめないでください。
指示と注意の違い
指示との違いは事前に説明しているのか、それともその場で注意しているのかです。
この美術館では写真を撮らないでください。
(1)指示の場合
美術館に入る前に、係員が事前に説明している。
(2)注意の場合
美術館で写真撮影をしているお客さんに対して、係員がその場で注意している。
ちょっとややこしいですね。
依頼
誰かにある行為をしないことを依頼したいときに使います。 指示や注意喚起のような強制力はないので、言われた側は断ることができます。
すみませんが、暑いので、窓を閉めないでください。
A:コーヒーに砂糖を入れましょうか。
B:いいえ、すみませんが、入れないでください。
配慮・気遣い
上記3つのほかに、相手への配慮を表す使い方もあります。意識的に使い分けることが難しいので、慣用表現的に覚えさせるほうがいいかもしれません。
だいじょうぶです。気にしないでください。
心配しないでください。
どうぞ遠慮しないでください。
あまり無理をしないでください。
『みんなの日本語』では、規則などで禁止されている事柄を中心に扱われています。
初級の段階で気を付けたいのは、学習者にどこまで教えるかということです。
「ないでください」の意味機能をどうやって分けるのか、つまり、すべての意味を導入するのか、それとも選択して導入するのか、もしくは全く分けないのか…など現場の教師の判断が必要となります。
全てを教えることがいいとは決して限りません。必ず学習者のレベル、ニーズやレディネスを考え、どこまで教えるのかを判断しましょう。
「ないでください」を使った答え方に気を付けよう
A:寒いので、窓を開けてもいいですか。
B:すみません。これから掃除をするので、閉めないでください。
A:ここでタバコを吸ってもいいですか。
B:すみません。吸わないでください。
上記のように、相手に許可を求められた(『みんなの日本語』第15課で既習)場合、「ないでください」を使って答えることができます。
ただし、「ないでください」を使うと、相手が目上や知らない人の場合、少し強い印象があります。そのため、許可を求められた場合には、「すみません、ちょっと…」のように婉曲的に断る方が自然です。
A:寒いので、窓を開けてもいいですか。
B:すみません、ちょっと…。
A:ここでタバコを吸ってもいいですか。
B:すみません、ちょっと…。
この部分はしっかり説明しないと、誤用を招く恐れがあるので注意しましょう。
練習
絵で導入・絵で練習
⇒書籍紹介はこちら。「20. 〜ないでください」に練習で使えるイラストが載っています。
アクティビティ
この文型が扱われている教科書
私がこの文型を教えるにあたってよく使っている教科書を中心に載せてます。
⇒書籍紹介はこちら。
絵で導入・絵で練習
⇒「20. 〜ないでください」に練習で使えるイラストが載っています。
⇒書籍紹介はこちら。
私のブログでもロシア人向けに「~ないでください」の文法を説明しています。
⇒【JLPT5】ないでください “Не делайте пожалуйста.”
説明が重複しているところもありますが、よろしければ教案づくりの参考にしてください。
コメント