【教案】会話に挑戦!中級前期からの日本語ロールプレイ 第12課(許可)

会話に挑戦!中級前期からの日本語ロールプレイ

【教案】会話に挑戦!中級前期からの日本語ロールプレイ 第12課(許可)

使用する教材

当ブログでも書籍紹介しているので、興味がある方はこちらへ。

「許可を求める」に関するロールプレイがある教材


⇒第2課に「先生へのお願い」というテーマの中で「許可」も取り扱っています。

とても参考になるので、おすすめです。

許可を求める文型が出てくる教科書


⇒第26課「ふまんを言う」で「~(さ)せていただけませんか」を扱っています。

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⇒第48課で「~(さ)せていただけませんか」を扱っています。

「許可」のロールプレイの授業例

初級を教える際、私は『みんなの日本語』か『げんき』を使っているんですが、『みんなの日本語』は第48課で「~させていただけませんか」を扱うので、文型導入・練習が終わった後にこちらの教科書を使って依頼のロールプレイしています。

文法積み立て型のみん日は会話の練習が少ないことが難点ですが、こちらの『会話に挑戦!中級前期からの日本語ロールプレイ』をうまく併用すれば、弱点を補うことができます。

授業の流れ

1. 目的(Can – do)の提示

この課の活動の目的を確認します。この課ではアルバイト先の上司に休みや日時の変更などの許可を求めたり、日本人の知り合いや友達に自分の行動の許可を求められるようになることが目標です。

授業の目的を提示したら、そのままウォームアップへと進みます。
目的の確認とウォームアップであまり時間をかけすぎないようにしましょう。

2. ウォームアップ

ロールプレイへの動機づけや雰囲気作りをするために、テーマに沿った質問をします。教科書内に質問がいくつか用意されているんですが、学習者によっては質問の内容を考えたほうがいい場合もあります。

この課では、

・アルバイトの経験の有無
・アルバイト先で曜日の変更や休みをもらったことがあるか
・上司はすぐに許可してくれたか、してもらえなかった際どうしたか

以上の3つの質問が用意されています。

3. 自分の力だけでロールプレイに挑戦

グループレッスンであれば、ペアに分かれてもらいます。「A」と「B」のロールプレイをそれぞれに渡し(事前に教科書のロールカードを用意しておく)、お互い見せあわないように言います(インフォメーションギャップ)。内容(役割、状況、すること)が確認できたら、ペアでロールプレイをしてもらいます。教師はサポート役なので、答えを教えたりはしません。

ペアで練習が終わったら、みんなの前で発表してもらいます。

発表者以外の学習者はただ聞くだけではなく、自分のロールプレイと何が違うのかを考えてもらいましょう。また、自分の言いたいことがどれぐらい話せたのかも聞きます。

学習者の「気づき」を大切にしましょう。

4. 会話例や場面ごとに必要な語彙・表現を紹介する

次にロールプレイの会話例を確認します。確認の仕方ですが、学習者のレベルに応じて以下の3つのやり方が考えられます。

1. 会話の空欄にどんな言葉が入るのか予測しながら記入させる。
2. 会話例を見ないで、まずはCDを聞いてもらう。
3. CDを聞きながら、空欄を埋める(ディクテーション)。

会話例を確認する際、会話の流れをしっかり頭に入れてもらうことが大切です。

許可であれば、話しかけ⇒前置き(~のことなんですけど…)⇒許可を求める⇒事情説明⇒許可へのお礼の順です。この会話の流れを確認することが、実は大切で、時間に余裕があれば、学習者の国ではどういう会話の流れで許可をするのかも話し合ってもいいと思います。

会話例を確認したら、許可で使われる文型・表現の確認と練習問題があるので、そちらをやります。

「~ていただけませんか」と「~(さ)せていただけませんか」に注意

学習者がよく間違えるのが、「~ていただけませんか」と「~(さ)せていただけませんか」です。

「~ていただけませんか」:相手に何かしてほしい
「~(さ)せていただけませんか」:自分が何かしたい/許可がほしい」

【よくある誤用】

×先生、体調が悪いので、今日の授業はやすんでいただけませんか
⇒先生、体調が悪いので、今日の授業は休ませていただけませんか

×:先生、今日は喉の調子があまりよくないので、スピーチの練習を別の日に変更していただけませんか
⇒先生、今日は喉の調子があまりよくないので、スピーチの練習を別の日に変更させていただけませんか

「授業を休む」「スピーチの練習を別の日に変更する」のは先生ではなく話し手なので、相手にお願いをする「~ていただけませんか」ではなく、許可をもらう「~(さ)せていただけませんか」が適切です。

他にも、「キャンセルする」などの動詞も間違えやすいです。

5. 再度ロールプレイに挑戦

課の最後に5つのロールプレイがあるので、ペアで練習⇒発表してもらいます。

5つのロールプレイですが、教師側が予め会話例を用意しておき、最後にそれを一緒に確認すると定着がよくなります。

ロールプレイをして終わりだと、学習者の手元には何も残らなくなってしまうので、会話例はできる限り用意してあげましょう。

こちらはこの課の最後にあるロールプレイの②と④の会話例です。

②の会話例

ナスチャ:店長、お忙しいところ申し訳ありませんが、今お時間よろしいでしょうか
店長:はい、いいですよ。何ですか。
ナスチャ:ちょっとお願いがあるんですが…
店長:お願いですか?
ナスチャ:はい…。大変申し訳ないんですが、来週1週間アルバイトを休ませていただけませんか
店長:え、1週間も?!どうして?
ナスチャ:実は大学の試験が再来週にありまして…。大切な試験なので、勉強を優先させたいと思ってまして…。
店長:今アルバイトが足りてないから、急に休まれるのは困るんだけど…。
ナスチャ:そこを何とかお願いします
店長:しょうがないね。それじゃ、来週は1週間お休みにしますが、今後はこういうことがないように気を付けてくださいね。
ナスチャ:本当にすみません。お手数おかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします

④の会話例

ナスチャ:高橋さん、こんにちは!
高橋:ナスチャさん、こんにちは。今週の土曜日だけど、楽しみにしてるよ。
ナスチャ:あ、実はそのことでちょっと相談/お願いがあるんですが…
高橋:都合が悪くなっちゃったかな?
ナスチャ:土曜日なんですが、私のロシア人の知り合いも連れて行ってもよろしいでしょうか
高橋:もちろん、かまいませんよ。何人ですか?
ナスチャ:もし高橋さんがよければ、2人連れて行きたいんですが…。
高橋:大丈夫ですよ。にぎやかなほうが楽しいですし。
ナスチャ:ありがとうございます!実はこの2人、一昨日ロシアから遊びに来ていて、土曜日に高橋さんの自宅に招待されたことを話したら、2人も日本人の家を見てみたいと言い始めて…。
高橋:そうなんですね。私の家でよければ、ぜひ。
ナスチャ:ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします

⑤の解答例

ナスチャ:高橋先生、ちょっとよろしいでしょうか
高橋:はい、何ですか?
ナスチャ:大変申し訳ないんですが、職員室のコピー機を使わせていただけませんか
高橋:どうしたんですか。
ナスチャ:実はスピーチの原稿をクラスの人数分コピーしなければならないんですが、近くのコピー屋さんが今日休みで…。
高橋:あぁ、なるほど。原則として学生には使わせることはできないんですが、事情があるようなので、今回だけはいいですよ。
ナスチャ:ありがとうございます。
高橋:いえいえ。ちなみに、使い方はわかりますか。
ナスチャ:はい、以前何回か使ったことがあるので、わかります。
高橋:そうですか。それじゃ、何かわからないことがあったら、聞いてくださいね。
ナスチャ:わかりました。ありがとうございます!

ロールプレイのテーマ

私が授業で考えたロールプレイをいくつかご紹介します。

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