【教案】会話に挑戦!中級前期からの日本語ロールプレイ 第9課(財布をなくして説明する)
使用する教材
当ブログでも書籍紹介しているので、興味がある方はこちらへ。
「形状・状況説明」に関するロールプレイがある教材
『中級カルテットⅡ』の第8課、「話す」パートで「忘れ物」(旅館で忘れ物)というテーマのロールプレイがあります。
こちらの教科書では、フォーマルな会話とカジュアルな会話が取り扱われているので、カジュアルな会話を勉強したい学習者さんにおすすめです。

普段「です・ます」で会話をしている学習者さんにとって、カジュアルスタイルでの会話はかなり難易度が高いようです。
授業の流れ
1. 目的(Can – do)の提示
この課の活動の目的を確認します。この課では以下が学習の目標です。
1. 財布を落としたり定期券をなくしたりしたときに、物の形や状況が説明できる。
「物の形や状況」の説明って、簡単そうに見えて、なかなか難しいんですよね。
2. ウォームアップ
ロールプレイへの動機づけや雰囲気作りをするために、テーマに沿った質問が2つ用意されています。1つ目は、財布や定期券を紛失した経験について、そして2つ目は財布や携帯電話のイラストが3つ用意されていて、それを見ながら物の形を説明するという質問です。

携帯電話はガラケーなので、スマフォに替えたり、もしくは自分のスマホの色や形、特徴について説明させるといいかもしれません。
ウォームアップの際に、スマホのアクセサリーやカバーなどの語彙を導入するとけっこう盛り上がります。
ロシアのスマホ事情
ロシアで圧倒的に人気があるのはiPhoneなんですが、XiaomiやSamsungなどの中国・韓国メーカーもシェア率が高いです。私が教えている生徒さんは、ほとんどがiPhoneユーザー。若い子はブランド力のある、アップル社のスマホを持ちたがるようです。
ちなみに、私はXiaomiのRedmi Note 11s使ってます。2~3年前に12000ルーブルぐらいで購入しました。iPhoneに比べたら、コスパ最高です(笑)
3. 自分の力だけでロールプレイに挑戦
グループレッスンであれば、ペアに分かれてもらいます。「A」と「B」のロールプレイをそれぞれに渡し(事前に教科書のロールカードを用意しておく)、お互い見せあわないように言います(インフォメーションギャップ)。内容(役割、状況、すること)が確認できたら、ペアでロールプレイをしてもらいます。このとき教師はあくまでサポート役なので、答えを教えたりはしません。
ペアで練習が終わったら、みんなの前で発表してもらいます。
発表者以外の学習者はただ聞くだけではなく、自分のロールプレイとの相違点についてを考えてもらいましょう。また、自分の言いたいことがどれぐらい話せたのかも聞きます。
個人レッスンであれば、先生と生徒でロールプレイをします。
慣れていないと「なんて言えばいいのかな…」「あれ?どの文型を使えばいいんだろう…」など困る学習者さんもいると思いますが、ヒントや答えは教えないこと!!
ここで大切なのは学習者の「気づき」なので、「できないこと」に「気づく」ことも大切な学習プロセスです。

むしろ、ここで「できないこと」に「気づく」ことで、授業で取り扱う必要性がわかってもらえます。この導入部分、本当に大切です。
学習者の例(自力で課題をやってもらってます)
準備中
4. モデル会話や場面ごとに必要な語彙・表現の確認
用意されているモデル会話の確認方法は学習者のレベルに応じて難易度をかえましょう。
1. CDを聞きながら、空欄を埋める(ディクテーション)。
→オーソドックスな方法です。
1. 空欄にどんな言葉が入るのか予測してから、モデル会話を聞かせ空欄を埋める。
→自分で考え空欄を埋め、答え合わせをする方法。少し難しい。
2. 会話例のスクリプトを見ないで、会話の流れと出てくる文型やキーワードに注意しながらCDを聞いてもらう。
→学習者のレベルによっては、このやり方が効果的。
ここで大切なのは、自分の力だけでロールプレイをしたあとにすぐ聞かせること。自分のロールプレイと会話例の何が違うのか。会話の流れはどうか。大切な文型やキーワードはあるかどうかなど、どこに注意するのかしっかり学習者に伝えてからモデル会話を聞かせてください。ただ聞いて答えを確認するだけでは、何も頭に残りません。
会話例を確認する際、会話の流れに焦点を置くようにします。
「物の形や状況」場合の会話の流れは以下のとおり
1. 話しかける
2. 物の形と状況の説明(財布やかばんの形)
3. 中身(財布やかばんの中身)
4. 状況(どこでなくしたか)
5. 紛失届を記入して会話を終える
「依頼」のロールプレイを勉強していると、ほぼ確実に「すみません、ちょっとよろしいでしょうか」というフレーズを話しかける際に使いますが、ここでは変な感じがしますね。
5. 再度ロールプレイに挑戦
課の最後に5つのロールプレイがあるので、ペアで練習⇒発表してもらいます。
5つのロールプレイですが、予めモデル会話を用意しておきましょう。ロールプレイをするだけだと、学習者が復習するための資料が手元に残らなくなってしまいます。
以下はロールプレイの例です。
①駅で
リーザ:あのう、すみません。財布を取られてしまったんですが…。
駅員:どんな財布ですか。
リーザ:青い色の長財布なんですが…。
駅員:お金はいくらぐらい入っていましたか。
リーザ:1万円と、あと銀行のキャッシュカードが入ってました。
駅員:銀行のキャッシュカードも入ってたんですね。銀行には連絡しましたか。
リーザ:はい、もう電話してカードが使われないようにしてもらいました。
駅員:そうですか。どこら辺で取られたか覚えていませんか。
リーザ:電車の中で寝ているときだと思います…。
駅員:電車はどこからどこまで乗っていたんですか。
リーザ:渋谷駅から池袋までです。
駅員:じゃあ、山手線ですね。
リーザ:はい。
駅員:わかりました。それじゃ、見つからったら連絡しますから、この紛失届に住所と名前と電話番号を書いてください。
リーザ:はい、わかりました。ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。
③駅や警察で
リーザ:あのう、すみません。スマホをなくしてしまったんですが…。
警察:どんなスマホですか。
リーザ:機種はiPhone15で、色はピンクです。チェブラーシカが描かれたスマホケースに入っていて、スマホリングが付いてます。
警察:チェブラーシカですか?
リーザ:はい、ロシアのアニメキャラクターなんですが、小熊と猿の中間のような外見の小動物なんです。
警察:そうなんですね。紛失したスマホには電話をかけてみましたか。
リーザ:はい、友達のスマホから何度か電話をしてみたんですが、繋がらなかったんです。
警察:そうですか。おサイフケータイなどの決済サービスは停止されましたか。
リーザ:はい、すぐに停止しました。
警察:わかりました。いつごろ、どこでなくされたかわかりますか。
リーザ:それが、気が付いたらなくなっていて…いつ、どこでなくしたかは全然わからないんです。
警察:わかりました。それじゃ、見つかったら連絡するので、この紛失届に住所と名前と電話番号を書いてください。
リーザ:ええと、連絡先は友達の電話番号でもよろしいでしょうか。
警察:はい、かまいませんよ。
リーザ:わかりました。
警察:あと、念のため、携帯電話会社に連絡をして、回線を止めてもらってくださいね。悪用されると大変ですから。
リーザ:わかりました。お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

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