先生、文法の練習をもっとしたいです。
先生、もっと宿題を下さい。
学生から宿題に文法の練習問題をもっと出してほしいと言われた経験はありませんか?
ほとんどの日本語教師の方が心当たりがあるんじゃないでしょうか?(むしろ、ありすぎる?笑)
『げんき』や『みんなの日本語』などの総合教科書をメイン教材として扱っていれば、ワークブックなどがあるので、それを宿題にすることもできます。ただ…これだけじゃ練習量が足りない…と思ってる方も多いはず。私もその一人です。
でも…自分で練習問題を作ってる余裕がない。
そんな日本語教師の方におすすめの1冊が本日ご紹介する『どんどん使える! 日本語文型トレーニング 初級』です。
【書籍紹介】文型の理解と運用力を高めるならこの1冊がおすすめ!『どんどん使える! 日本語文型トレーニング 初級』
どんな本?
(アマゾンではサンプルページが記載されています)
日本語の運用力をつけたい人のための「考えて解く」文型練習問題集です。初級のテキストは、機械的な練習問題(活用、文型練習など)が多くなりがちですが、こちらの練習問題は会話文や文章を読んで、全体の流れを把握し、意味を理解した上で、目標の文型を使って答えるような、文脈・意味重視の練習問題となっています。
「考えて解く」文型練習問題なので、難易度は少し高めです。学習者さんのレベルに応じて使うかどうか判断してください。
機械的な練習問題で文型を覚えたいという学習者さんもいるので、しっかりニーズを把握した上で使うようにしましょう。
構成
本書には、初級のレベルで扱われる文法の練習問題が90あります。必要な文型は、目次を見れば必要な文型がすぐに探せるようになっているので、とても扱いやすいです。
どんな初級の日本語の教科書を使っている人でも使えるような作りになっているため、必要な文法のページだけを宿題にしたり、もしくは授業内で導入したあとに理解できているか確認に使ったりもできます。
各課は以下のように
1. 「チェックしよう」
2. 「やってみよう」
3. 「ワンポイント」
で分かれています。「チェックしよう」の部分で、各課の文型の意味が理解できているかチェックできるようになっています。解答は次のページの最後に書かれているので、すぐにチェックできるようになっています。
次に「やってみよう」で、会話文や文章を読んだ上で目標の文型を使って答えます。
間違えやすいものやわかりにくいものには、「ワンポイント」で簡単な文法の説明があります。ワンポイントを読んでから「チェックしよう」「やってみよう」に進むこともできます。
おすすめの使い方
普段の授業の中の練習として、宿題や小テスト、各課やコースの終わりの復習などに最適です。私は現在育休中なので、オンラインで『げんき』や『みんなの日本語』を使って日本語を教えているんですが、授業内では総合教科書にある練習問題を使いながら、文型の導入⇒ドリル練習⇒応用練習をして、宿題として『どんどん使える! 日本語文型トレーニング 初級』を使っています。
学習者さんからは「先生、この練習問題難しいよ~」という声も上がりますが、大体の学習者さんは、機械的なドリルに慣れてしまっていて、自分の頭で前後の文脈から正しい語彙を適切な形に直すという練習をしていなかったことが原因なので、「がんばれー」とエールだけ送ってます(笑)
ただし、練習問題の会話文や文章に出てくる語彙や文型が未習のものばかり…ということも考えられるので、学習者さんのレベルをしっかり把握した上で使わないと、宿題が苦になることも。気を付けてください。
最後に
今回は『どんどん使える! 日本語文型トレーニング 初級』について紹介しました。総合教科書を使っていれば、ワークブックなどの練習問題がたくさんあるから大丈夫だと思ってる方も多いかもしれません。実際私も『みんなの日本語』を使って授業をしていたとき、そう思っていました。しかし、それは間違いでした。授業内で教え、総合教科書にある練習問題を宿題にしたからといって、すぐに覚えられるわけではありません。むしろ、こういった教科書の練習問題は、単調すぎるゆえに何も考えないでやってしまい、結果いつどんなときに使えばいいのかわからないまま中級へ進むこともあります。
そうならないためにも、本書のような教材があると便利だと思います。
まだ持っていない人は是非チェックしてみてくださいね!
なお、こちらはシリーズになっていて、『どんどん使える! 日本語文型トレーニング 中級』編もあります。気になる方はチェックしてみてください。
コメント