初級日本語の総合教科書といえば『みんなの日本語』や『げんき』が定番ですが、みなさんは絵カードをどのように準備されていますか?
インターネットからイラストや画像をダウンロードしたり、自作したり…いろいろな方法があると思いますが、限られた時間の中で教案・教材作りをするなら、やっぱりある程度は時短できるようにしておくことも重要です。
そこで、本日ご紹介するのは「初級日本語げんき」シリーズに準拠した絵教材『げんきな絵カード』です。
【書籍紹介】挿絵が可愛くて現代風なイラストなら『げんきな絵カード』がおすすめ
どんな本?
【書籍紹介】詳しい英語の解説付き!英語圏の学習者なら『げんき』がおすすめ!!
『げんきな絵カード』は『げんき』の会話・文法編で提出されている新出語彙や表現を絵カードにまとめたPDF教材で、そのままフラッシュカードとして使うだけでなく、コピー&ペーストして教材作りにも活用できます。

『みんなの日本語』に比べ、挿絵がかわいく、イラストも現代風なので『げんき』を使っていない教師からも人気があります。持っているとけっこう使えるので便利です。
イラスト収録枚数
名詞 | 形容詞 | 動詞 | 表現 | 対比 | 計 | |
Ⅰ | 256 | 60 | 122 | 58 | 22 | 518枚 |
Ⅱ | 198 | 37 | 186 | 21 | 10 | 452枚 |
『げんきな絵カード』はⅠとⅡを合わせると計970枚もの絵カードが収録されています。なお、『みんなの日本語』にも教科書準拠の絵教材『みんなの日本語 絵教材CD-ROM』という本がありますが、こちらはⅠとⅡを合わせても664枚しか絵カードが収録されていません。
使ってみた感想
本冊に出てくる新出語彙や表現などの絵カードがレッスンごとに整理されていて、欲しい絵カードをすぐに検索できるためとても便利です。

『みんなの日本語 絵教材CD-ROM』にはないんですが、『元気な絵カード』には登場人物とあいさつだけをまとめた項目も別に用意されているため、例えば文型を導入する際に人物の絵カードが必要なときすぐに欲しい人物の絵を探すこともできます。これ、かなり便利です。
また、絵カードが何を意味してるのかもわかりやすいので、学習者が「?」となることも少ないです。『みんなの日本語 絵教材CD-ROM』は、例えば「ハンサムな」というな形容詞の絵カードがあるんですが、「え?ハンサムかな…?」というイラストで、学習者たちも戸惑っていたため、彼らの母国語でフォローしたり、わかりにくいイラストのみ自作したり…とときどき不便を感じました。
あと、何と言ってもありがたいのが絵カードの左上に小さくどの課で使用する絵カードなのか、そして語彙が記載されていること。実際に印刷して授業内で使用したあとも課が記載されてあれば整理しやすいですし、万が一絵カードが何を指すのか忘れても絵カードに書いてあるので安心です。
なお、『みんなの日本語 絵教材CD-ROM』の絵カードは特にそのような記載はないので、予め自分でわかるようにしておく必要があります。

私は印刷したら必ず裏面に語彙とどの課で使う絵カードなのか手書きで書いてましたが、これがけっこう大変…。そう考えると『げんきな絵カード』は使う側のこともすごく配慮してくれてるんだな~…と思いました。
最後に
『げんきな絵カード』は1冊3080円するので2冊購入するとなると、6160円。決して安くはない買い物ですが、日本語教師にとって絵カードは大切な商売道具です。インターネットでかわいいイラストや画像をダウンロードできるようになりましたが、使用する教科書が決まっているなら、それに準拠した絵カード集を持っておくと何かと便利です。
私は『げんきな絵カード』も『みんなの日本語 絵教材CD-ROM』も持っていますが、絵柄が全く違うので学習者の年齢や好みに合わせて使い分けて使用しています。お金に余裕があれば、両方持っておいても損はしません。
コメント