【書籍紹介】詳しい英語の解説付き!英語圏の学習者なら『げんき』がおすすめ!!

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初級日本語の総合教科書といえば、『みんなの日本語』と『げんき』の知名度が高いですよね。ロシア国内では別冊でロシア語の文法解説書が用意されているため『みんなの日本語』使用率が高い気もしますが、英語圏では根強い人気がある『げんき』。

本日は『げんき』について『みんなの日本語』と比較しながら、実際に使ってみた感想と合わせご紹介したいと思います。

【書籍紹介】詳しい英語の解説付き!英語圏の学習者なら『げんき』がおすすめ!!

どんな本?

初版が1999年、2版が2011年、そして3版が2020年に刊行されている、『みんなの日本語』と同様に世界的に知名度の高い初級日本語の総合教科書です。日常に即した語彙・表現が豊富が取り上げられているので、会話力を中心に楽しく学びたい人におすすめ。

本冊は、英語で文法説明・語彙リストがあり、英語圏の日本語学習者に支持されています。また、げんきオンライン と呼ばれるサポートサイトも充実しています。

「げんきオンライン」では、『げんき』の使い方のほか、教師用ページには追加教材や教室活動のアイディア集などが掲載されていて、教案を練るときの参考になります。学習用ページでは文型ドリルなど学習者が自習できるようになっています。

構成

『げんき』は本冊ⅠとⅡがありますが、それぞれが「会話・文法編」と「読み書き編」の2部構成になっていて、全23課(げんきⅠ:1~12課、げんきⅡ:13~23課)で初級レベル(『げんきⅠ』でN5、『げんきⅡでN4』レベル相当)の学習項目が修了できるようになっています。所要時間の目安は会話・文法編が各課6時間、読み書き編が各課3時間(全23課終了までに約200時間)です。

会話・文法編の各課の構成は以下の通り:

会話⇒単語⇒文法⇒練習⇒Culture Note⇒Useful Expressions

会話は、日本に来た留学生メアリーさんとその友人・家族を中心にストーリーが展開されるため、大学生の日常で使う語彙が豊富に含まれています。

『みんなの日本語』は主人公がサラリーマンですが、『げんき』の登場人物は大学生なので表現、語彙が日常で使われるものが多いです。

 『げんき』のメリット

ここからは『みんなの日本語』と少し比較しながら、『げんき』を使用するメリットについて触れていきたいと思います。

(1)本冊に英語で文法説明・語彙リストがある

英語がわかる日本語学習者に教える場合、本冊に英語で文法説明・語彙リストがあるのはとても便利です。『みんなの日本語』は、文法説明と語彙リストは別冊を購入する必要があります。学習者のニーズに合わせて英語やベトナム語、ロシア語などが用意されていますが、購入となると学習者にはけっこうな負担となります。

文法の説明は『みんなの日本語』よりも詳しく、わかりにくい文法事項は図や絵を用いて説明してくれています。予め学習者に予習として文法の説明に目を通してきてもらうこともできますし、復習の際も使いやすい仕様になっています。

プライベートレッスンでウクライナ人に教えているんですが、独学で『GENKI』を使用していたそうです。英語で文法説明・語彙リストがあったのが決め手だったとか。『みんなの日本語』は別冊が多すぎてどう使えばいいのかよくわからず使えなかったそうです。

(2)縮約形なども紹介されている

『みんなの日本語』では、例えば「〜なければならない」という表現は、「パスポートを見せなければなりません。」のような例のみが提示されています。一方、『げんきⅠ』の12課では、「~なければならない」に加え、会話では「パスポートを見せなきゃ(いけません)」のようになることが多いと説明されています。

他にも『げんきⅡ』の15課で『~ておく』が出てきますが、こちらも会話では「~とく」が使われることが説明されています。

学習者の多くは、コミュニケーションのために学んでると思います。このような縮約形も知っておくことは大切なことです。

『みんなの日本語』では縮約形は紹介されていないため、JLPTの対策で初めて知ったという学習者も多いです。後から勉強するとなかなか定着しないので、一緒に教えてあげることが大切だと現場で常々感じています。

(3)練習問題が豊富でバリエーションも多く、問題指示も英語で書かれている

イラストを多用した練習、ペアワークやグループワーク形式のロールプレイやゲームなどのアクティビティが充実しているため、楽しく教室活動を行うことができます。

『みんなの日本語』は単調な練習問題が多く、教える側は提出する文型に応じて教室活動を考えなければなりませんが、『げんき』は日本語教師にとって「教えやすい」教科書を目指しているだけあって、練習問題はかなり充実していると思います。

練習問題の指示は英語で書かれているため、具体的に何をすればいいのかはすぐにわかります。これ、けっこう重要なポイントで、何をすればいいのかよくわからないまま例題通りにとりあえずやってる場合、問題をこなしても頭には入りません。ちなみに、『みんなの日本語』は問題の指示は一切ありません。何をすればいいのか推測はできますが、あまり親切とは言えません。

(4)各課の終わりにCulture Noteがある

各課の終わりに、「あいさつとおじぎ」、「日本人の名前」、「日本人のジェスチャー」、「贈り物の習慣」など日本文化に関するコラムが英語で紹介されています

『げんき』は1と2合わせて全23課ありますが、全ての課にCulture Noteと呼ばれる日本文化に関するコラムがあります。コラムのテーマは主に課の内容に関連したものが用意されているため、このコラムを入口にネットなどで情報収集したり、授業で自国文化と比較したりすることができるようになっています。

(5)別冊が少ない

『げんき』は本冊のほかに、ワークブックと漢字ブックだけなので学習者側の経済的な負担は軽くなります。一方、『みんなの日本語』は本冊以外に、『標準問題集』、『書いて覚える文型練習帳』『聴解タスク』、『初級で読めるトピック25』、『やさしい作文』、『漢字練習帳』、そして、文法解説書…と一式揃えるとなるとかなりの負担となります。国によっては教科書を購入する余裕のない学習者もいるので、『げんき』のように別冊が少ないのは教科書を選ぶ際のポイントとなります。

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『KANJI LOOK AND LEARN』については書籍紹介もあるので、興味がある方はこちらへ。

 『げんき』のデメリット

会話でよく使われる文型に絞って提示されているため、提出文型は『みんなの日本語』と比べ圧倒的に少ないです。『みんなの日本語』で教えている方は物足りなさを感じるかもしれません。そのため、JLPTを受験する場合、追加で文型を導入する必要があります。また、『げんき』は英語以外の訳がないため、当たり前と言えば当たり前ですが、英語圏以外の学習者には不向きです。

提出文型は少ないですが、『みんなの日本語』に登場しない文型(例えば「使役受身」や「〜てほしい」など)もあります。

あとは、大学生が良く使う場面や語彙・表現が多いので、学習者が社会人の場合は物足りなさを感じるかもしれません。

使ってみた感想

プライベートレッスンでウクライナ人の日本語学習者が『げんき』を使って独学で勉強していたことがきっかけで使い始めました。

週1回1時間の個人レッスンで時間が限られているため、予習で語彙の学習、及び文型の説明を読んできてもらい、レッスンは文型の導入と練習、アクティビティを中心に行っています。英語で文法説明・語彙リストがあると、学習者は予習でも復習でも使うことができます。

会話も各課に2~3つ用意されていて、大学生が興味を持ちそうなテーマばかり。私自身も読んでいて楽しくなります。

最後に

今回は初級日本語「げんき」について紹介しました。『みんなの日本語』も『げんき』もそれぞれ特徴がありますが、学習者の年齢や日本語を勉強する背景、ニーズなどを考えた上で教科書を選んでみてください。興味がある方は是非チェックしてくださいね。

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